補綴物における保険治療と自費治療の違い
歯科医院で高額な自費のクラウンを勧められた経験があると思います。
なぜ歯科医は自費のクラウンを勧めるのでしょうか?
保険は安価で良い治療だと思う歯科医師はほとんどいません。
特に補綴物(クラウンやブリッジなどの被せもの)は良い材料が使われているとは思いません。
保険のメリットは安価なだけです。
もちろん保険のクラウンやインレーを一生涯使っている方もいます。
しかし、大部分の方は、何度も再治療を受けていませんか?
保険の補綴物はプラークが付きやすく、歯との適合性も悪いのです。
歯との適合性が悪いというのは、詰め物と歯との間に隙間があるということです。
さらにプラークが付きやすいということは、虫歯になりやすいということです。
自費のクラウンは高額ですが、歯との適合性は非常によく、プラークも付きにくいという利点があります。
お金儲けをしたくて高額の自費診療を勧める歯科医院もあるようですが、自費の材料を使用したクラウン・ブリッジ・インレーなどは再治療になるリスクが保険のものよりも断然低いのです。
ただし、良いものを詰めたりかぶせたからといって、歯ブラシをしなくてよいということではありません。
歯ブラシを上手く出来なければ虫歯にはなります。
しかし、プラークが付きにくいため、セルフケアがしやすくなり、長期間口腔内を良好に保つことが出来るようになります。
勘違いのしやすい保険制度
日本の保険制度は世界に類をみないほどよくできた制度です。
しかし、保険制度の中で治療をするという事は、今ある最高の治療を施せるわけではありません。
決められた枠の中で最善を尽くしましょうという制度です。
つまり、保険を使わなければ、歯を残すことが出来たかもしれないし、もっと噛みやすい、違和感のない被せものや噛み合わせを作れたかもしれません。
保険で得られる治療は最善で最良のものであるとは限らないのです。
特に、咬合崩壊(歯が多数抜け、噛み合わせがおかしくなっている状態)している方の場合、保険内だけで治療しようとするとそれなりの治療で終わってしまいます。
歯科医師的にも医学的にもこうしたい、ああしたいと思うところが残る治療内容になることが多いです。
自費治療は被せものだけではありませんので、保険外の治療を勧められたときに是非耳を傾けてください。